(朝鮮日報日本語版) 「捜査に問題あり」 スパイ容疑の脱北者に無罪判決
北朝鮮の保衛司令部から直接派遣され、スパイ活動を行った容疑で起訴された41歳の被告に対し、裁判所が無罪を言い渡した。「ソウル市公務員スパイ事件」のユ・ウソン氏(34)に続き、北朝鮮から直接派遣された要員によるスパイ事件でも無罪が言い渡されたことで「国家情報院(国情院)と検察の対共捜査に大きな欠陥があるのではないか」という指摘が出ている。
ソウル中央地裁は5日、国家保安法違反(目的遂行・スパイ・特殊潜入)の罪で逮捕・起訴された被告に対して無罪を言い渡し、釈放した。
裁判所は「この事件では、被告の自白が唯一の直接証拠」という前提に立ち、国情院合同尋問センターが作成した被疑者尋問調書、国情院の司法警察官が作成した被疑者尋問調書、検察が作成した被疑者尋問調書などについて「黙秘権・弁護人助力権の告知などの手続きが守られなかった」として証拠能力を全て否定した。国情院と検察が、法的手続きに則らない形の証拠を提出したため、事実関係を争うこともできずに無罪が言い渡されたのだ。
裁判所は、被告が検察で容疑を自白した際の供述内容についても、当時の録画映像が存在していないことなどを理由に、証拠能力を認めなかった。
裁判所は、被告自身が作成して裁判所に提出した意見書と反省文についても、証拠とは認めなかった。裁判所は「脱北者で、韓国の刑事実体法および手続法に関する知識をほとんど持っていない被告は、弁護人の助力を受ける権利すら実質的に保障されなかった」「(意見書と反省文は)裁判手続きおよび結果に対する心理的不安と萎縮(いしゅく)の中で作成されたため、証拠能力を認めることはできない」と判示した。
検察は5日、直ちに控訴し、裁判所に反発。ソウル中央地検の関係者は「裁判所は、納得できない理由で証拠を認めなかった。裁判所に対し、厳正に問題提起する予定」「米国などでは、特別法まで制定し、テロ・安全保障事犯の基本権をある程度制約して真相究明に重きを置いている。しかし韓国は、裁判所で証拠を判断する際、過度に形式的な論理に基づき、安全保障事犯ではむしろ一般刑事犯より厳格な物差しを突きつけている」と語った。
被告は、2012年5月に北朝鮮の保衛部工作員に選抜された。昨年6月、上層部の指令に従って中朝国境地帯で脱北ブローカーの誘引・拉致を試み、未遂に終わったとの容疑で起訴された。国情院・検察の取り調べでは容疑を自白したが、裁判にかけられた直後「民主社会のための弁護士の会(民弁)」に所属する弁護士の助力を受けて供述を翻し、法廷闘争を繰り広げた。
判事出身のパン・ヒソン東国大学教授は「検察と国情院が、法律で求められている厳格な手続きを順守せず、慣行通りに大ざっぱに進めたために発生した問題。手続き的な問題で実体的真実の把握を困難にした、という批判は免れないだろう」と指摘した。
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