特発性過眠 試験、通学・・・逃れられぬ睡魔
眠気が一日中続く「特発性過眠症」に悩む沼津市の女子大学生(21)が、病気への理解が広がってほしいと声を上げている。大学生は「本人も周囲も病気と分からず、偏見に苦しんでいるケースも多い」と指摘する。社会的な支援も不足し、保険適用外の高額な治療薬など負担が重くのし掛かっている。
特発性過眠症
女子大学生は10代の初めごろから、授業や試験中に無意識に眠り込んでしまうことが続いた。いったん眠ると何時間も起きられず、目が覚めても頭がすっきりしない。入浴時も眠ってしまうため、湯船に漬かったことはない。
高校3年時に「特発性過眠症」と診断された。「それまで体質の問題と思っていた。病気だと分かり、正直ほっとした」。だが、薬物療法を続けても症状は改善されなかった。授業は眠らないように立ったまま受けた。大学受験も特別に申請し、立った状態で臨んだ。
特発性過眠症
都内の大学の薬学部に入学したが、自力では起きられないので1人暮らしはできない。家族と住む沼津市の自宅から新幹線で通学している。それでも、疲れがたまると乗り過ごしてしまう。大学や学生仲間には病気を明かしていない。立って勉強する場所を求め、ひそかに大学のトイレにこもるのが日常だ。
現在は都内の病院で強い薬の処方を受け、辛うじて症状を抑えている。しかし、治療薬は高額な上、口の渇き、吐き気、頭痛などの副作用も強い。通院のための体力的、経済的な負担は大きい。
薬学部に進んだのは、もともと薬の研究に興味があり、自らの病気に役立つ情報を得られやすいのではないかという思いから。ただ、病気の認知が低い現状では治療法の研究も一向に進まない。
「寝過ぎても死なないと言われたこともある。でも、家族の助けがないと生きられない病気と分かってほしい」と訴える。
睡眠医療に詳しい日本大学医学部精神医学系の内山真主任教授は「患者は周囲から怠けている、たるんでいるなどと誤解され、悩んでいる。病気についてもっと広く知ってもらうことが大切だ」と指摘する。
特発性過眠症/眠りが浅く睡眠発作の時間も短いナルコレプシーとは異なり、深いノンレム睡眠の発作が数時間から10時間以上も続くことがある。原因は不明。患者数は人口10万人に2~5人との推計があるが、分かっていない。治療法は確立されておらず、専門医も非常に少ない。
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