<外務省>「在外公館15カ所新設」15年度予算の概算要求
◇発信力強化で500億円積み増し
外務省は安倍晋三首相が掲げる「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を推進するため、15カ所で在外公館の新設を目指す方針を固めた。114人の定員増と合わせて、2015年度予算の概算要求に関連経費を盛り込む。また、領土問題などを巡る中国、韓国との「情報戦」を有利に進めるため、対外発信に14年度予算から約500億円を積み増す。
新設要求はタジキスタン、トルクメニスタン、モルディブなど9大使館と、レオン(メキシコ)、バンガロール(インド)、セブ(フィリピン)など6総領事館。日本の大使館は14年度末に139カ国になる予定だが、なお米国(168カ国)や中国(164カ国)など主要国と開きがあり、新設で外交活動の基盤強化を図る。
一方、総領事館(現在60カ所)の新設が認められると、08年度以来7年ぶりに総数が増える。今回要求する6カ所には在留邦人や観光客、日本企業の拠点が多く、邦人保護や企業支援の必要性が高いとしている。
ただ、14年度予算では大使館の6増要求に対し、結果は3増にとどまった。年末にかけて財務省との折衝は難航しそうだ。
海外での日本企業支援策としては、20カ所の在外公館に法律の専門家やインフラ分野のコンサルタントらを新たに配置。公館を活用した日本製品や日本産品の宣伝事業も充実させる。
こうした外交体制の強化に伴い、外務省の定員を現在の5787人から114人増やすよう求める。14年度実績(34人増)に比べ大幅な増員要求には、本省の要員不足を補うため在外公館から本省に人を移す場当たり的な運用を改善する狙いもある。
また、領土や歴史認識問題で日本の主張をアピールするため、戦略的な対外発信を重視。国際広報の拠点として米国や中国、韓国など21カ国の23在外公館に予算と人を重点配分するほか、NHKの国際放送を強化する。世界各地の若者らを日本に招き、親日派・知日派の裾野を広げる事業にも取り組む。外務省幹部は「対日批判を強める中国、韓国に対し、日本は出遅れている。発信力強化は首相官邸の強い要望だ」と説明している。
概算要求の総額は14年度当初比10.8%増の7380億円になる。【
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