サンパウロに青空市(フェイラ)が誕生してから100年
現在、市と近郊で開かれる青空市は880カ所
ブラジル各地で市民に親しまれている、フェイラと呼ばれる青空市(フェイラ・リーヴリ)。青果市、民芸品市、アンティーク市、自然食品市など、青空市にはさまざまな種類がある。
中でも、日系人の人口が多いためかサンパウロ市では、青果市の歴史が古く、今も数多く開かれている。
そのサンパウロは、8月25日(月)、青空市の100周年を迎えた。サンパウロ市政府が伝えている。
サンパウロ市の青空市はこの100年、変わることなく品質の良さを保ち、変わることのいないスタイルで人々に親しまれ続けてきた。
現在サンパウロ市と近郊の32都市を含めると、約800の青空市が開かれている。これらの青空市は火曜~日曜に営業されているという。
市に登録している青空市でものを売る人の数は1万2073人、市に設営される店舗の持ち主数は1万6300人。また、市で商売をする人の多くは、一か所の市だけに出店することは少なく、日によって異なる市に出店しているという。多い人では
州に6カ所の市に出店する。
ところで、この青空市がサンパウロで始まったのは前世紀のことだ。
サンパウロの青空市が始まったのは記録の上では1914年。ワシントン・ルイス・サンパウロ市長(当時)が条例710にサインをして公式に青空市がスタートしたという。
同市で最初に公式な青空市が開催された場所はラルゴ・ジェネラウ・オゾーリオだという。26人の商人が参加した。2番目の公式な青空市が行われた場所はラルゴ・ド・アロウシで、116人の商人が参加した。
翌年(1915年)までにはさらに5つの青空市が誕生した。うちふたつはラルゴ・ジェネラウ・オゾーリオとラルゴ・ド・アロウシに出店され、残る3つは、ラルゴ・モライス・ヂ・バホス、ラルゴ・サンパウロ、サンドミンギス通りに店を出した。
現在、サンパウロの青空市で商売をしている人の60%が男性(7211人)で40%が女性(4862人)。うち、66% (7865人)が36~65歳。25歳以下の若者の姿はあまり見かられず、3%(319人)だという。反対に高齢者は増加しており、13%(1678人)が66~95歳に属する人たちとなっている。
また、市場で働く人は、親子や夫婦など、家族で商売をしている人が多い。
エイコ・ミウラ・トクノ(65)さんが青空市で商売をはじめたのは今から38年前。最初の息子がお腹にいるときに、夫のヨシロー・トクノ(66)さんと一緒に、父親から譲り受けた店で商売をはじめた。
「ほかの人から聞いた話では、父は青空市で野菜を売っていたそうです。始めは行商を行っていましたが、店舗を買って、青空市でものを売るようになりました」(トクノさん)
トクノさん一家は現在、週に5カ所の市に出店している。末っ子も市の商売を鉄だっているが、運営面で良心をサポートしている。農家と交渉して、売り物の野菜を仕入れるのも彼の仕事だ。彼は毎朝、市内から84km離れたビリチバ-ミリンにある農場まで出向いて野菜を仕入れている。
青空市では、パステウやさとうきびジュースの屋台もお馴染み。市で働く人や買い物客のお腹を満たしてくれる。
さとうきびビジュースの売店を行っているジョルジ・シンジ・ミヤシロ(60)さんも、家族から受け継いださとうきびジュースの店で働いている。両親はもとより、祖父や祖母、親戚なども、市場で働いている。
48年前、両親が売っていた店を受け継いで果物を売っていたが、やがて自分の店舗をもち、さとうきびジュースの店を始めた。妻のファッチマ・キヨミ・ミヤシロ(51)さんと共に店にでている。
住居はトレメンベーにあり、毎朝、6時半ごろに市にやってくる。
青果を扱う市の店の商人たちは、多くの場合もっと早起きして、近郊の農場などや中央市場などから売るものを仕入れている。
ジョゼー・カルロス・サンターナ(51)さんは、他の人たちと異なる珍しいケースで青空市の商人になった。
8年前、ジョゼーさんは自動車ディーラーとして働いていたが、息子たちが市場で野菜を売っていたことから、自身も自動車ディーラーをやめて市場で働くようになった。
「この仕事はとて楽しいので私は今、幸せです。1日、いろんなひととおしゃべりしながら過ごせますしね」(ジョゼー・カルロス・サンターナさん)
リマォンに住んでいるエヂヴァール・ソアーリス・ダ・シウヴァ(86)さんは経理関連の仕事を定年退職した後、市で働くようになった。
「青空市はとても雰囲気がよく、働くのが楽しいね。人々とのつながりが家族的でとても親密です」
エヂヴァールが魚屋のネウソン・イワモト(51)さんから魚を買うときは、いつもネウソンさんは魚の骨を一本一本抜いてくれるという。
魚屋のネウソン・イワモト(51)さん、売り物の魚の骨を抜くサービスを行うのは「ギヴアンドテイク」だという。
「青空市では、客は友達でもあります。エヂヴァールもその一人だけど、もう20年以上、うちで買い物をしてくれています。家族ぐるみでの友達です」(ネウソン・イワモトさん)
この100年の間で、スーパーマーケットやさらに大型のスーパーマーケット(カヘフールなど)がブラジルにもどんどん作られており、青空市は衰退しそうにも見えるが、なくなることはなさそうでもあるという。
常連客は、野菜が新鮮で価格が安いため、青空市に通い続けている。サンパウロ市によると毎週300万人のひとたちが青空市で買い物をしているという。
また青空市は、果物、野菜、魚などを売る場でもあるが、雇用も生み出しているようだ。7万人が青空市で雇われたという。
青空市をいつも利用するアナ・マリア・ホドリゲス(79)さんは「私は自動車を運転しないので、家の近所で開催される青空市は大変たすかります。売り物の青果の質がいいことは、いうまでもありません」と語る。
芸術家のアンドレア・フェルナンチス(42)さんは、青空市に来ることは、家族のスケジュールに組み込まれていると語る。
「子どもたちが加工されていない新鮮な果物を見て、食べることができる青空市は貴重な場所です」(アンドレアさん)
近年、オーガニック食品市も需要を伸ばしているが、サンパウロ市では、市にオーガニック野菜を売る生産者を増やす計画にも力をいれている。今週、ピニェヘイロスのラルゴ・ダ・バタタに、オーガニック食品に特化した青空市がスタートする。
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