日本デジタル教科書学会2014年次大会の意義とこれからの役割
日本デジタル教科書学会2014年次大会が8月16日と17日、「深化するタブレット端末活用 ~今育成したい能力~」をテーマに新潟日報メディアシップと附属新潟小学校を会場に開催された。同大会について、日本デジタル教科書学会の会長で、附属新潟小学校教諭の片山敏郎氏に寄稿いただいた。
◆今、なぜ、タブレット端末活用か~育成すべき資質・能力と情報リテラシー
2010年のiPadの登場とともに立ち上がった「学習者用デジタル教科書」という概念。近年、主にPC室のみで行われていた情報活用の実践力を高めるための「情報教育」は、教科の学力を高めるために普通教室でもよく行われる「ICTの活用」へシフトしてきていた。
iPadをはじめとする「タブレット端末」の登場は、「その次の授業観」を提示した。すなわち、資質・能力としての情報リテラシーの育成と、教科の学力形成の両立である。
「日本デジタル教科書学会2014年次大会」のテーマは、「深化するタブレット端末活用 ~今育成したい能力~」であった。今年に入り、タブレット端末の導入が飛躍的に進み、タブレット端末を活用した実践は、現在そこかしこに見られる。こうなってくると、これから問われるのはその「授業実践の質」だ。今回のテーマは、どのような能力を高めるためにタブレット端末をどのように使うのかという、能力論にスポットを当てたのだ。
では、ここでいう「今、育成したい能力」とは何か。文部科学省は現在、次期指導要領の改訂に向けた準備を行っている。次期指導要領では、現行までの指導要領よりも、資質・能力の育成が重視される方向で動いている。
その下地になっているのが、文部科学省の「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」での議論だ。ここで話し合われている内容の基礎的データとなっている国立教育政策研究所の資料によると、国際的な学力観で言われる、資質・能力は7つ程度に類型化されている。
その中の一つが「情報スキル」「ICTリテラシー」「情報リテラシー」と呼ばれる能力である。私の勤務校でも、国立教育政策研究所の指定を受けて、新しい学力の研究をしているが、その中の一つに「附属新潟式情報リテラシー」というものがある。
これは、比較などの汎用的な思考の方法を促すリテラシーである。2015年2月5日、6日に、研究会があり、情報リテラシーを育成する授業を2日間連続公開をするとともに、堀田龍也先生をお迎えして「附属新潟式情報リテラシーフォーラム」を開催する予定だ。
1人1台のタブレット端末が実現していくこれからの時代、目指すべき資質・能力の一つに、この「情報リテラシー」が当然位置付けられてくると考えている。
◆「電子黒板」+「学習者用デジタル教科書」への道
ここで、デジタル教科書の導入までの時期を振り返ってみよう。2009年、自民党麻生政権下で行われていた「スクールニューディール政策」で、「電子黒板」が導入され始めた。しかし「政権交代」が起きると、「事業仕分け」において、ほこりをかぶったまま活用されていない「電子黒板」が矢面に立たされた。
そんな中、原口総務大臣の「原口ビジョン」における「1人1台の電子教科書」は、想像し得なかった未来を提示した。iPadの発明と、政権交代。この2つが、その後のデジタル教科書導入への流れを創り出したのだ。
それから2年間、「みんなのデジタル教科書教育研究会」(2014年8月29日現在、会員数1,224名)で、「学習者用デジタル教科書」についてのネット上での情報交換を行ってきた私は、より学術的な検証をするために、2012年に「日本デジタル教科書学会」を設立した。
あれから3度目の夏を迎えた今年は、来場者数は過去最高の、のべ400名となり、52の研究・実践発表、7つのワークショップ、著名な論客を迎えたシンポジウムを行うことができた。中でも、基調講演では、東北大学大学院教授の堀田龍也先生から、「これからの学力とデジタル教科書学会への期待」という演題で講演いただいた。
この講演では、素晴らしい期待を語っていただいたので紹介する。
◆堀田先生が語る「日本デジタル教科書学会」への期待と今後
基調講演の中で、堀田先生からは、「日本デジタル教科書学会」への2つの期待を語っていただいた。
1つ目は、情報端末活用に関する多くの実践や開発の現実も含めて、実践的、学術的に検討する場としての期待だ。「デジタル教科書とか情報端末のことはここに行けば全部わかるみたいな学会になって欲しい」と、熱く期待を語っていただいた。
2つ目は、エビデンスのある学会だ。エビデンスとは「科学的な根拠」である。デジタル教科書をキーワードに、心理学者だったら心理学的、社会学者だったら社会学的に実証していくような研究が蓄積できるとよいとアドバイスをいただいた。まさに、自分が目指したいと思っている姿であった。
堀田先生のご提案を受け、今年度新たに取り組もうと構想していることは、以下の3つだ。
第1に、調査研究・政策提言である。堀田先生ご指摘のように、学会が主導で調査研究を行い、エビデンスを蓄積し、積極的に発信活動をしていく。今後、どのような調査研究が必要かを洗い出し、優先順序の高いものから取り組んでいく。
第2に、さまざまな学会で活躍されている方々から理事や役員になっていただき、他の学会との橋渡しをしていただくとともに、他領域への広報活動を行っていく。ICTと教育というと、教育工学を中心に語られがちだが、デジタル教科書の研究は、堀田先生ご指摘のように、教育工学の範疇にとどまらない。社会学や経済学、認知心理学といった他領域や、特別支援教育、各教科教育という他の教育内容を専門とする学会とともに知見を交流していくべきである。これを私は、設立以来「デジタル教科書研究のハブになる」と公言している。そのための、新たな広報戦略が必要と考えている。
第3に、研究会・研究プロジェクト・研究グループへの助成である。デジタル教科書にかかわる取組みを最大10万円の「助成」という形で支援し、そこから得た、知見を還元してもらう。それぞれ、草の根の意見を大切にし、ボトムアップで高まる学会運営を目指す。もともと、この学会自体が草の根運動的なものである。この遺伝子を大切にしていきたい。
デジタル端末の活用は、これからものすごい勢いで広がっていくターンに入った。しかし、そこでの知見は、共有されているとは言えない。いかに知見を共有するか、そして、エビデンスを蓄積して、頼りにされる存在になるか。これから1年の課題は大きいが、積極的な挑戦を継続していきたい。
なお、今回の大会では発表プログラムを見て頂ければわかるように、多くの実践が発表された。近日、学会の年次大会発表原稿集を公開し、より詳しい詳細をご覧頂けるようにする予定である。
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