A代表入りも有力! ポルトガルに渡った田中順也の挑戦を追う
部外者が疑問を抱いたスポルティングの「熱意」。
リスボンに本拠を構えるスポルティングは、リーグ優勝18回を誇るポルトガル屈指の名門である。国際舞台での成績は近年こそ物足りないが、かつてはルイス・フィーゴやクリスチアーノ・ロナウドなど、スターダムに駆け上がったトッププレーヤーを多く輩出。緑と白が横断する特徴的なユニホームは、欧州サッカー界における「老舗」のトレードマークとして、確固たる存在感を誇る。
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田中順也
そんなクラブに名もなき日本人選手が引き抜かれたのだから、世界が驚くのも無理はない。田中順也の日本代表キャップ数はわずかに「1」。年齢も27歳と決して若くない。にもかかわらず、スポルティングは年俸4000万円超の5年契約を結んだうえ、80億円超と言われる違約金を設定する「熱意」を示した。
もっとも、その熱意は部外者から見れば疑問符の付くものでしかない。
「ところで、タナカって誰?」
移籍決定の一報を伝えたあるイタリア紙の見出しは、おそらく世界のメディアに共通する正直なリアクションと言っていいだろう。果たして海を渡った田中は、どちらかと言えばネガティブなこのリアクションを、ポジティブな驚きに変えられるだろうか。
田中順也
とくに育成年代において、田中は日本国内でもまったくの無名選手だった。多くのプロ選手を輩出している三菱養和SCで育ったとはいえ、ジュニアユース時代はエースでもなければレギュラーを約束された存在でもない。ユースでも目立った成績を残せず、一般入試で順天堂大へ進学。それでもこの頃から徐々に頭角を現わし、4年時には特別指定選手として柏レイソルに加入。プロ3年目の2011年には13得点を記録する急成長を遂げ、柏レイソルのJリーグ制覇に貢献して脚光を浴びた。翌12年には、アルベルト・ザッケローニ率いる日本代表に名を連ねている。
その後、工藤壮人の台頭によって定位置を失う苦しい時期が続いたが、14年シーズンは尻上がりに調子を上げ、12試合で5得点を記録。何の予兆もなくスポルティングへの移籍が発表されたのは、ワールドカップの開催に伴うJリーグ中断期間のことだ。慌ただしく海を渡った彼は、新シーズンに向けて始動したばかりのチームに合流した。
プレシーズンマッチ8試合で5得点・2アシストと確かな手応え。
FWとしては、例えば柿谷曜一朗や大迫勇也のように、卓越したボールコントロールを誇る選手ではない。むしろ、テクニックもスピードもパワーも「並」。国内では十分な威力を発揮した181センチの高さも、海を渡れば平凡でしかない。それでも田中の名前が海の外にまで届いた理由は、おそらくゴールまで30メートル以内の距離ならワンステップでも射程圏内に入る、絶対的な強度と精度を誇る左足にある。
柏のDF近藤直也は言う。
「単独での突破力はない。ただ、良いパスを受けて、アイツの形でトラップできれば、間違いなくシュートでアピールできる。だから、移籍先が強いチームで良かったと思いますよ。守備主体のチームでカウンターを期待されると厳しいけど、能力の高いチームメイトから良いパスさえ出てくれば、十分に勝負できる」
合流直後から続いたプレシーズンマッチでは、まさに近藤が言う理想的な環境がプラスに作用した。
8月9日までにこなした8試合の成績は、5得点・2アシスト。スタメン出場は2試合に止まったが、今夏から指揮を執るマルコ・シウバ監督がその他の6試合でも途中出場させているように、現時点での期待感は十分に伝わってくる。なにより、「8試合で5得点」のインパクトは強い。たとえチームメイトの「崩し」にお膳立てされたイージーなゴールが多かったとしても。
ただし、基本システムを4-3-3とするスポルティングで定位置を掴むのは容易ではない。シウバ監督はCFでの起用を視野に入れているようだが、このポジションでは昨シーズンに12得点を記録したコロンビア人FWのフレディ・モンテーロが不動の地位を築いている。二番手の座を争うのはイスラム・スリマニ。移籍が噂されるこのアルジェリア代表FWの去就は不透明だが、仮に彼を放出する運びとなっても新戦力が加入する可能性は高く、このポジションでの勝負はハードルが高い。
そこで期待されるのは、3トップの両サイドでの起用である。左のディエゴ・カペル、右のアンドレ・カリージョとも突破力に優れたアタッカーだが、決定力には不満が残る。左サイドからの精度の高いアーリークロス、さらに右サイドから中央に切れ込んでの強烈なシュートという田中の武器は、チームにとって貴重なアクセントとなりうる。
3つのポジションで違った働きができる田中は、指揮官にとっても間違いなく有意義な存在だ。もちろん、守備戦術の早期体得が条件となるが、もともと戦術理解力に優れ、献身性は高い。欧州で活躍する他の日本人選手と同様に、日本人らしい真面目さと柔軟性を買われて重用される可能性は大いにある。
どうやら本人も、確かな手応えを感じているようだ。一時帰国した際、柏のDF渡部博文にこう話している。
「ストロングポイントを発揮できているし、自信を持ってやれていると言っていました。DFの当たりの強さが日本とは違い、戸惑う部分もあったみたいだけど、順也は本能で感じてうまく対応できるタイプ。だから、問題はないと思います」
柏の強化部門のディレクターを務める吉田達磨も、田中の能力に太鼓判を押す。
「正式なオファーとしては突然でしたが、本人はもともと(海外に)行きたかっただろうし、方向性は定まっていたんだと思います。能力的にも性格的にも、まったく問題はないと思いますね。左足はプロの世界でもトップレベル。順也は順也が好きだから(笑)、そういう性格も海外で勝負する上ではプラスですよね」
世界的にはまったく無名の選手が欧州屈指の名門で挑戦するのだから、成功を手にするのは簡単ではない。チームは今夏の移籍市場でマンチェスター・ユナイテッドからポルトガル代表FWのナニを獲得し、レギュラー争いはさらに激しさを増した。ただし、彼には左足という特別な武器があり、加えてスポルティングには、現時点で理想的と言える環境が整っている。
恐怖と笑いが交錯「人志松本のゾッとする話」単独DVD化
松本人志、千原ジュニア、宮川大輔らが出演するDVD「人志松本のゾッとする話」の上下巻が、8月6日に同時発売されることがわかった。
「人志松本のゾッとする話」は、「人志松本のすべらない話」のスピンオフ番組「人志松本の○○な話」の1つ。毎回6~10名程度のメンバーが集まり、それぞれが持っている身の毛もよだつ恐怖体験を披露する。
DVDには2010年5月8日にゴールデンタイムに進出した回から、再度23時台に戻って最終回を迎えるまでに放送された厳選の「ゾッとする話」を収録。芸人の口から語られる怪談話は、怖いだけでなく笑えるものも。ぜひ上下巻あわせて揃えよう。
なお「人志松本のすべらない話」の最新DVDは6月25日に発売された。また「人志松本の○○な話」のDVDは2011年に「誕生編」として2巻発売されている。
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